仮面ライダーオーズ|“欲望”の時代を生きる私たちへ――映司とアンクが教えてくれた、手の届く幸せの掴み方

映画

※上記のアイキャッチ画像はイメージです

園子だよ。

今日はね、ずっと語りたかった『仮面ライダーオーズ(OOO)』について、思いっきり書く。アニメじゃなくて特撮?うん、でもね――オーズはジャンルの壁を軽く飛び越える“物語”そのもの。友情も、選択も、そして“欲望”も。スマホを片手に忙しく生きる私たちが、いちばん刺されたい言葉と音で全身を揺らしてくる。だから園子は胸を張って言うよ。「オーズは、今だからこそ観てほしい」。

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オーズってどんな物語?“三枚のコアメダル”から始まる、いちばん人間なヒーロー譚

『仮面ライダーオーズ』は2010年9月〜2011年8月にテレビ朝日系列で放送された平成ライダーシリーズの一作。主人公は、旅人みたいに身軽で“明日のパンツさえあればいい”という青年・火野映司。彼が、右腕だけ実体化した“グリード”の欠片・アンクと手を組み、動物の意匠を宿した「コアメダル」で変身しながら、人の“欲望”から生まれる怪人グリードたちと向き合っていく物語。全48話の密度、そして“欲望”というテーマへの直球勝負が、10年以上たった今も色褪せない。オープニングは大黒摩季さんの「Anything Goes!」。この一曲が“走り出す自分”を背中から押してくれる。


園子の心を貫いたキーワードは“欲望”――否定じゃなくて“取り扱い説明書”として描く誠実さ

オーズのすごさは、“欲望=悪”と短絡しないところ。

欲しい、認められたい、守りたい、強くなりたい――小さくて個人的な願いが、積もれば怪物にも、明日の一歩にもなる。映司は“自分のための欲望”をどこか手放しているように見えるけど、実は誰よりも欲している。誰かの手が、ちゃんと明日に届くことを。アンクはアンクで、圧倒的に個の欲望の生き物。ふたりの距離は反発しながら、でも確実に寄り添っていく。

園子は何度も思った。「大人になるって、欲望の匙加減を学ぶことなんだ」って。オーズはその匙加減の練習台。視聴者ひとりひとりが、自分の胸に潜む“グリード”とちゃんと話すための作品なの。

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キャラクター深掘り:園子が好きになった順で語らせて

アンク――“右手”に宿る矛盾、その美しさ

欠けた存在なのに尊大、冷徹なのに誰よりも熱い。アンクの視線って、いつも“遠く”にある。完全体になるためのメダル、つまり“自分”を取り戻すことへの渇望。だけど映司と過ごすうち、彼の“欲望”は少しずつ形を変える。奪うか、分け合うか。アンクの選択はいつも観る者の胸を焦がす。

火野映司――“手を伸ばすこと”の才能

映司はね、心のどこかに穴があって、その空洞に世界中の痛みが風みたいに通り抜ける人。だから他人の困りごとが放っておけないし、自分の損得で動かない。強さって、筋力だけじゃない。“誰かのために無茶ができる”って、いちばん難しい筋肉なんだと、映司を見るたびに分かる。

泉比奈――“持ち上げる”ヒロイン

比奈ちゃん、大好き。怪力を“ギャグ”で終わらせない書き方がうまい。彼女は物理的にも精神的にも、倒れそうな人を持ち上げる。映司とアンクの間に置かれる現実的な倫理、そして“ふつうの生活”の温度を守る役目。視聴者の気持ちの避雷針でもある。

後藤慎太郎/バース――“正しさ”の使い道

真面目さは時に不器用さとセット。でも後藤さんは“正しさ”を守るために、何度でも自分をアップデートしていく人。組織の歯車にならない勇気を手に入れてからの彼、ほんとにカッコいい。

伊達明/バース――“軽さ”という強さ

「金のため」って言い切れる大人の軽やかさ。だけどその軽さの奥には、痛みと覚悟がぎゅっと詰まってる。笑って戦って、笑って別れることの難しさ。伊達さんはそれを引き受けてくれた。

鴻上光生――祝福と実験の人

ケーキで祝う会長の笑顔の裏にあるもの。世界の“可能性”を愛しながら、人をコマとして見てしまう危うさ。彼の“祝福”は甘くて怖い。オーズのテーマを大人の視点から広げてくれる稀有なキャラクター。

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メダル×コンボの美学――タトバ、ガタキリバ、ラトラーター、サゴーゾ、シャウタ、タジャドル、そしてプトティラ

オーズの戦い方は“三枚のメダル”でフォームを組む知的なパズル。**頭(赤)×胸(黄)×脚(緑)**みたいに、色と動物の属性がシステムとして美しく繋がる。

タトバは“これぞオーズ”の原点。ガタキリバの増殖は戦術の快感、ラトラーターの爆発力は“欲望がスパークする瞬間”、サゴーゾの重量感には“譲らない覚悟”、シャウタの流麗さは“線の美学”。タジャドルは“祈りと矜持”の色で、プトティラは“抗う魂”の結晶。

そして、これらフォームを走らせる音楽の快感。大黒摩季「Anything Goes!」の疾走感と、中川幸太郎のスコアの厚みが、フォームチェンジの“意味”まで音で説明してくれるの、ズルいくらい気持ちいい。


名言&名場面(園子的)10選――“刺さり度”で語る

  1. 「手を伸ばせば、届くから」

    映司のこのスタンスは、作中のあらゆる選択の“出発点”。行動の先にしか世界は変わらない。

  2. アンクがコアメダルを握りしめる手

    欠けているから、執着する。執着するから、変わる。人間もグリードも、構造は同じ。

  3. 比奈ちゃんの“持ち上げる”優しさ

    力は人を傷つけるためじゃない。誰かを支えるためにある――って、彼女が証明してくれる。

  4. ガタキリバの“分身する孤独”

    数が増えても、孤独は割り算にならない。むしろ輪郭が濃くなる瞬間がある。

  5. タジャドルの羽ばたき

    祈りを背に、炎で凍てつくものを溶かす。攻撃と救済が同じフォームに宿る美学。

  6. プトティラの咆哮

    怒りはときに“守りたい”の裏返し。制御不能の力が、誰かを守ることもある。

  7. 伊達さんの笑顔の奥

    軽さとは、痛みを抱える術。だからこそ“軽やかに強い”。

  8. 後藤さんの一歩

    組織と自分、どちらも裏切らない道を選ぶ勇気。正しさは更新できる。

  9. 鴻上会長の祝福

    「君たちの明日に、幸多からんことを。」甘い声ほど、自己点検が必要だと教えてくれる。

  10. 最終話の“手”

    伸ばす手、掴む手、離す手――オーズは最後まで“手”の物語なんだと気づく。


10周年映画『復活のコアメダル』が残したもの――“続き”ではなく“問い”として

2022年に公開された『仮面ライダーオーズ 10th 復活のコアメダル』は、あのラストにもう一度だけ向き合うための作品だったと思う。映司とアンクの関係は、単なる“再会”の感傷で終わらない。10年分の距離感と、それでもゼロに戻らない温度。

「ハッピーエンドかどうか」を超えて、関係が続くとはどういうことかを観客に手渡してくれる。劇場公開は2022年3月12日。ホームビデオは同年8月24日にリリース。短い尺にギュッと詰めた“オーズらしさ”は、苦みも甘みもちゃんとある。園子的には、ここで描かれた選択が本編を壊すどころか、むしろ“手を伸ばす”物語を現代にアップデートしてくれたと感じてる。

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制作陣の“誠実”が物語を強くする

オーズの土台には、物語づくりの職人芸がある。メインライターの小林靖子さんが、キャラの欲望の線を最後までブレずに引き切るから、映司もアンクも“ゆらぎながら一本”の人間に立ち上がる。音楽は中川幸太郎さん。演出陣の“攻め”も手を抜かない。面白いことをやる時に、ちゃんと人間の顔をしていること――このルールが徹底されているから、オーズは“形”より“心”が先に来る。


いま観るなら:初見&再視聴ガイド(園子の推し視聴法)

  1. まずは本編48話を素直に

    週末に“6話×8セット”で観るのもアリ。章ごとの小さなテーマが連続して、欲望の輪郭がだんだん見えてくる。放送順でOK。

  2. 音で体感する

    オープニングは毎回スキップしないで。映像とテロップのテンポが、その回の映司の“体温”とリンクしてくる不思議。できたら少し大きめの音量でどうぞ。

  3. 10周年映画は“余韻”として

    本編の余韻が心に残っているうちに映画を。そこに込められた“続けること”の答え合わせができる。

  4. 推しコンボを決める

    自分のモードと相性が合うコンボってあるから。仕事で気合いが必要ならラトラーター、理詰めで攻めたい日はガタキリバ、心を整えたい夜はタジャドル…みたいな感じで。

  5. 台詞をノートにメモ

    オーズは“引用したくなる台詞”の宝庫。SNSに流したくなったら、一呼吸おいて自分の言葉も添えてみて。バズの度合いが変わるよ。


オーズが2025年の私たちにくれる処方箋

“欲望”は悪じゃない。

でも無自覚な欲望は、いつの間にか誰かを壊す。だから見つめること分かち合うことが必要になる。映司とアンクの物語は、まさにその練習。

SNSでは“いいねが欲しい”、仕事では“評価が欲しい”、恋愛では“安心が欲しい”。欲望の形は違っても、解像度を上げて名前をつけてあげると、扱えるようになる。オーズはその名前の付け方を一話ずつ教えてくれた。

園子は思うの。

「足りない」からこそ、人は誰かの手を掴みにいける。

「欲しい」って言えるから、誰かの欲しいにも寄り添える。

“手を伸ばす”って、実はとても勇気がいること。それでも伸ばした手の先に、ちゃんと世界はあって、ちゃんと誰かがいる――オーズはその当たり前を、派手なアクションと、止まることを知らない音楽で、何度も何度も確かめさせてくれる。

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まとめ:今日、あなたは何に手を伸ばす?

もし今、ちょっとしんどい日々の真ん中にいるなら。

一本のエピソードでいい。映司の“明日のパンツ”みたいな軽口に笑って、アンクのツンデレにムッとして、でもラストには心のどこかがちょっと温かくなるはず。

そして明日、あなたは少しだけ勇敢になる。

そう、Anything Goes!――何だって、できる。

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